木越先生福岡レッスン
3月レッスンのために、木越洋先生が福岡へいらっしゃいました。
このところ私の仕事が重なってしまう事が多く、じっくり先生のお顔を拝見していない気がします!
今回も、博多阪急でのデモ演を終えて大急ぎで小笹に向かいました。
見て頂くのはベルリオーズ(1803-1869)の「幻想交響曲」チェロパート。
有名な交響曲ですよね。
幻想というその名の通り、夢の中のような、というか幻覚のさまを描いた曲です。
かなりエキセントリックです。
音楽による刺激に慣れている現代人の私達は、初めてこの曲を聴いてもあまり抵抗感なく受け入れられると思いますが、これが作曲されたのは1830年、ベートーベンが没して3年後、ブラームスが生まれる3年前です。ロマン派の初期ですね。でもその型破りな作風は約80年後に作曲されるストラビンスキーの作品に近いくらいです。チェロパートを弾いていても、びっくりするほどヘンテコに感じます。ベートーベンの次の人とは思えない。
初演当時のオーケストラはどんな風にこの曲を受け入れたのか、興味があります。
ところでクラシック音楽を勉強していると、長い歴史の中で人は昔より今の方が優れている、という考えはまるで間違っていると分かります。音楽に限らず、私の好きなヒエロニムス・ボス(1450-1516)というルネサンス期のオランダの画家は、村上隆顔負けの奇々怪々キャラクター製造画家です。21世紀のポップアーティストだといっても疑われないでしょう。
実はこの、いつの世にも傑出した人はいて現代人だからといって優れているわけではない、ということを教えてくださったのは木越先生で、先生は世阿弥(1363?-1443?)の著書「風姿花伝」を読んでそう思ったそうです。
「幻想交響曲」は5月28日
エキストラ出演する佐賀のアルモニア管弦楽団定期演奏会で弾きます。
satoko