響きというものは...

April 24, 2017

私が「響き」というものを現在にまで理解するのに時間がかかりました。

才のある人は音に出会った時から瞬時にわかるものかもしれませんが、私には先生が必要でした。

それを知る事が私に必要だと教えてくれる先生が。

 

ある時に読んでいた小説でこんなくだりがありました。

舞台は第二次世界大戦中の空襲を受けているロンドンで、主人公は住宅街を逃げて走っています。レンガ積みの家々が空襲ですっかり崩れ落ちてしまい、3階建てだったはずがほんの瓦礫の小山になっていました。

それを見た主人公はこんな風に思いました。

 

「大きな建物だと思っていたのに、潰れてしまえばたったこれだけのレンガだ。

建物を構成していた多くは『空間』だったのだ。」と。

 

 

主人公の想いは音楽とまったく関係のないものですが、私には、これって音楽だ!というひらめきでした。

楽譜を開けば音符がたくさん並んでいますが、それが演奏される時には実は、音符と音符の間の『空間』、つまり響きで音楽は出来上がって行くのです。

 

長い間、私は楽譜をみては音符を順番に弾いていました。今ではそれは薄く平坦な演奏にしかならないと分かります。音符と音符の間を弾く、というと禅問答のようで説明がなかなか難しいですが、例えば、今弾いた音に次の音を重ねる、または混ぜる。

弦楽器は一本の弦でたくさんの音を共有しているので、今弾いている音を他所で共鳴させてそれに次の音を重ねるということになります。

だから正しいチューニングと正しい音程が当然ですが必須です。そして遅い弓も。弓をコントロール出来てない状態で早く使ってしまうと、耳とのコンピネーションが悪く、響きを得られないようです。

これで演奏は劇的に変わります。楽器を買い替えるより顕著かもしれません。

 

 

 

 

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