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木越先生4月の福岡レッスン

さあ、4月も木越先生においでいただきましたが、その前に広島県福山市での木越先生ご出演の演奏会『ゴーシュ・カルテット演奏会』を聴きにいきました。

木越洋 ビルマン聡平 猶井悠樹 中村洋乃理

ゴーシュカルテットのメンバーは、なんともフレッシュな30代の演奏家たち。木越先生もしきりにステージ上で「自分の半分のトシの若手演奏家たち」と紹介していらっしゃいました。

でもたまにはこんな組み合わせも面白いかも。

若さと情熱と自信に溢れて、ややもすると突っ走ってしまいかねない流れを、倍の年数の経験に裏打ちされた重みでバランスがとれ、そして美しさを共有しようという気持ちが4人で一つになった、素晴らしい演奏でした。

演奏会のあとに木越先生と演奏を振り返りながらあれこれお話を伺うのも、とても面白いです。

シューベルトの弦楽四重奏曲「死と乙女」の冒頭にはffしか書かれていないので、つい力任せに弾いてしまいそうですが、それだと「死と乙女」にならないんだそうです。ではどういうイメージで?

「死神が登場するように、恐ろしげに」。

また2楽章の変奏曲では、pppの本当に弾いていないかのような幽かなところがあって、そこは「天使が飛んで来た」ところでした。

イメージを話だけで聞くとただ「ふーん」という感じですが、これがレッスンになると具体的な奏法の話になり、それこそ膝を打って「なるほど!」と唸りたくなります。

年齢など関係なく、我が我がではなく美しいものを作り出すという行為に身を投じる、音楽って人間が行うことのなかでも最高に美しいものだと思わされます。

さてその後に続く週末の福岡レッスンでは、私は引き続きベルリオーズの幻想交響曲。

木越先生は筋金入りのオーケストラプレーヤーですから、オーケストラスタディは本当に勉強になります。「この箇所ではビオラがこう弾いてるからそれを聴きながら」や「ここはティンパニが一緒に入ってくるから注意して音を出さないとフライングしちゃうよ」など合奏上の注意だったり、わかりにくいフレーズを細かく噛み砕いたり、逆に長く捉えたりすることでスッキリ納得します。

今月はピアニストもお二人、レッスンを受講されました。クライスラーの小曲やブラームスのバイオリンソナタで。

まずは弾いてみようかと始めたら、すでにきれいだし直すところなんかないみたいですが、木越先生はピアノでの和音の響き方のバランスを整理されました。一つの和音の中で欲しい音少なめの音、それから次の和音にどうやって移るか、拡げる方向なのか引っ込んで行くのか。(しかも先生はピアニストじゃないのに、弾き方までよくご存知です。)

整理されたあとはぐっと音が変わって、確実に格があがりました。

今回も目から鱗の充実レッスンでした。また来月を楽しみに!

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