パッヘルベルのカノン

July 17, 2017

2016年の1月に立ち上げたチェロアンサンブルグループ、EnsembleOhr。

最初に取り組んだ曲はパッヘルベルのカノンでした。元はバイオリンの曲ですから当然チェロで弾くにはハイポジションを使わなくてはならず、みんなにとってはちょっとだけ高いハードルとなりました。まだ4thポジション以上が弾けない人のために「primary」という易しめに編曲した楽譜も用意しましたが、最終的にはみんなオリジナルの楽譜で弾けるようになりました。

 

ご存知のようにカノンとは輪唱で、3パートで同じ楽譜を2小節ずつ遅れながら弾きます。それだけでも綺麗なハーモニーが続いて楽しいのですが、ただ弾いて終わっては面白くないと思い、なにか仕上げるべき目標像を掲げたくなりました。このカノン1曲を眺めて、1枚の絵のように仕上げるにはどう切り口を見つけるか。

 

まず大きなところではこの曲は3つに分けられると思い、私はこの3つの部分を「朝、昼、夜」としました。

 朝は、夜明けのようにゆったりと四分音符のメロディーから始まり、八分音符でベッドから起きだして背伸びをして。

そして鳥のさえずりのような、このカノンの顔とも言える32分音符の溌剌としたメロディー。

 

 その32分音符のメロディーを3番パートが弾き終えると「昼」になります。

16分音符で、子どもたちが元気よく外を跳ね回って遊んでいるような、人々が額に汗して快活に働いているような、そんな場面に見えます。

 

 さて、ここまで相変わらず「レ、ラ、シ、ファ♯、ソ、レ、ソ、ラ」の和音の上に情景が展開されて来たのに、この「夜」の部分になると雰囲気が少し変わります。ニ長調の曲なので導音になるドに♯がついているはずなのですが、ここに来てナチュラルがついて半音下げられています。たぶんミクソリディアとかなんとかの教会旋法を使われたのでしょう。そのおかげで、なんとも言いがたい日暮れ時の安堵のような寂しいような気持ちがしてきます。

 

これが大きな枠組み。

さらに、この枠の中を2小節刻みで「1番メロディー」「1番&2番の2重奏」「2番&3番の2重奏」「3番メロディー」というリボンがリピートされていく、という仕組みです。(曲の最後の6小節だけ、1番メロディー、2番メロディー、3番メロディーと割り切れます。)

 

以上は私の勝手な解釈で実際はもっと絡み合った面白さがあるはずですが、アンサンブルオーアとして合奏を作って行くのに分かりやすいモデルになったかと思っています。

1年以上かけて、四分音符=40というゆっくりテンポでやってきて、結論は「パッヘルベルのカノンはちゃんと味わうと凄い!」ということでした。

 

 

 

 

 

 

 

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